-29/Jul/2025-
【国の借金=国民の借金 なのか?】
現状、国債の発行残高が1,080兆円あり、人口を1億2千万人とすると、単純に一人当たりに割り当てると約800万円になります。
「日本の財政はギリシャより悪い」と首相が言っていましたが、これは間違いで、財務省も誤りだとわかっていて、発言を放置しています。
その誤りについて、以下に述べていきます。
政府は「国債=国の借金であり、国債を増加させるとこの金額が増え、将来に負担を残すから発行すべきでない」と言っています。
そもそも大きな誤解があります。
国債は「国の借金」ではなく「政府の借金」です。つまり、政府と国民は別の存在であり、「政府の借金」が「国民の借金」ではありません。
政府の借金と借入先の内訳は次の通りです。
【政府の借金の内訳】
借金の種類 |
金 額 |
|
1 |
国債 |
1,080兆円 |
2 |
財投債等 |
102兆円 |
3 |
借入金 |
47兆円 |
4 |
政府短期証券 |
94兆円 |
合 計 |
1,323兆円 |
【借入先の内訳】
借入先 |
割合 |
|
1 |
日本銀行 |
50% |
2 |
市中銀行等 |
40% |
3 |
国民 |
5% |
4 |
外国政府 |
5% |
ここで、『国債発行残高が1,080兆円あり、これから将来にわたり返済しなければならない。』とかが得る方もいると思います。しかし、これが大きな誤解です。
また、借入先の50%が日本銀行であり、日本銀行の株式の55%を日本政府が保有しています。つまり、日本政府の債務の50%を子会社である日本銀行が持っているため、連結すると債権債務相殺により消えます。
日本銀行以外の債務ですが、国債であれば円建てであるため、日本銀行が貨幣を作って返済することができます。(実際は、国債の借り換えで対応しています。)
なお、外国政府からの借入金とは、為替介入に使う外貨準備高になります。
以上より、冒頭で述べた「国債発行残高1,080兆円/国民一人当たり800万円の借金」というのは、単に国債残高を人口で割っただけに過ぎず、国民に返済義務がある借金ではありません。
-24/Jul/2025-【消費税の人件費への効果】
消費税の計算について簡単な例を用いて計算すると下記のようになります。
設例として
『売上高:1,100、課税仕入:330、人件費:440、利益:330』
とすると、売上高・経費・利益は下図のようになります。
この設例から、消費税額は「(課税売上:A-課税仕入:D)×10/110」から70となります。
70=(1,100-330)×10/110
この設例の付加価値ですが、商品やサービスにつける価値のことになることから、当設例では、課税売上(A)から課税仕入(D)を控除した額、
すなわち、利益(B)と人件費(C)を合算した額になるため、
『利益:330+人件費:440=770』
となります。
付加価値の10/110は70となることから、消費税は結果として付加価値に課税していることと同じになります。
すなわち、『消費税=付加価値税』ということになります。この形の課税は、1953年にフランスで導入されました。
この意味するところは、「消費税という名称にごまかされないで!」ということです。
つまり、消費税ということで、『消費者が負担する税金』と考えられがちですが、実際は、『事業主(企業等)の付加価値に課税している税金』です。
【人件費に及ぼす影響】
ここで、人件費330を全て外注費とすると、外注費は仕入税額控除(売り上げの小h税から控除される)に含まれるため、
消費税は、(1,100-440-330)×10/110=30 となり、正規雇用の場合(70)と比して企業負担が少なくなります。
つまり、正規雇用で人件費を支払うよりも、同額を外注費として支払うほうが消費税の負担は少なくなり、
『正規雇用よりも外注にする』ことが企業としては消費税の節税へとつながります。
この結果、正規雇用が減っていき、外注や派遣等の非正規雇用が増えて、企業の賃金は上がらないという現状となります。
-1/Jul/2025-【食料品の軽減税率 8% ⇒ 0%の影響について】
今月に予定されている参議院議員選挙の公約で「食料品の消費税の税率(8%)を0%にする」という公約を挙げている党があります。
私は、これについては実施すべきでないと考えます。
その理由ですが、上のブログにも記載していますが、消費税の納税義務があるのは事業者であり、消費者ではありません。また、事業者は価格を需給状況に応じて自由に定めることができます。すなわち、食料品の税率が8%から0%になってもスーパー等の食料品店は販売価格を8%下げる義務はありません。
このことは「食料品の消費税率が0%になっても消費者が購入する食料品の価格が8%下がることは保証されない。」ということを意味します。
食料品店にとっては、食料品の仕入・売上に消費税が課税されないため、納税する消費税が少なくなったり、場合によっては還付を受けることもあります。
それに対して、食料品店から食材を仕入れて調理して販売するレストラン等の飲食店はどうでしょうか?飲食店はサービス業となるため、食材仕入れにかかる消費税はかかりませんが、消費者に提供する飲食についてはサービス業であるため、消費税を納税する必要があります。
つまり、食材の仕入れに係る消費税はなくなり、飲食物の提供についての消費税は存在しますので、結果として控除できる消費税が少なくなるため納税額が増え、利益が減ることになります。この減った利益を補うために経費を削減したり、消費者への売価を上げたりする必要があります。
このことから言えることは、食料品の消費税のみを0%とすると食料品店の利益は一時的にプラスになりますが、飲食店が価格を挙げたり、経費削減等をすることで売上が減少していくことになりかねません。
したがって、食料品の消費税を0%にすることはマイナスしかもたらさないことになる可能性が極めて高いと考えます。
以上が理由になります。
-30/Jun/2025-【消費税について思うこと】
消費税は商品などを買った場合に、その金額の10/110(軽減税率の場合:8/108)とされています。
このように価格に含まれていることから当然消費者が負担する税金と理解されていることが多いと思います。また、消費税は一般的に「間接税」であると言われています。
ここで、税金の直接税と間接税について述べると、「直接税」・「間接税」という定義は法律には存在しておらず、税負担者と納税者が同じのものを直接税、異なるものが間接税であるとされています。
法人税・事業税等が事業者の利益から納税することから直接税といわれ、一方で、消費税は消費者が支払った税金を事業者が納税するため間接税であるといわれています。しかし、消費税法には「消費者が負担する」という規定はなく、第5条に「事業者が納税義務を負う」ことのみ規定されています。
また、法人税や事業税なども消費税と同様に価格に含まれており、消費者がこれらの税額を負担しているのは当然です。この論理から、法律上は法人税等と消費税に違いはなく、消費税も「直接税」といえます。
間接税とする根拠ですが、「消費者に財・サービスを提供している事業者は消費者から消費税を預かって(いわゆる預り金)おり、納税は事業者が行うこと」であるとされています。しかし、財務省も「預り金」ということは明確に述べず、「預り金性格を有する」としています。
-30/Jun/2025ー【益税について】
売上高1,000万円未満の免税事業者が消費者から消費税を受領したまま納税しないことについて「益税」といわれています。しかし、前述の通り、消費者には消費税の納税義務はなく、消費税相当部分はあくまで価格の一部でしかありません。
このことは、政府・財務省も司法の場(平成2年3月・東京地裁)で「取引の相手方から消費税相当額の一部を収受しても、それは取引対価の一部であり、税の徴収の一過程において税額の一部を横取りすることにはならない」と判示されており、このことから「益税」は存在しません。
「益税」というのは、消費者に代わって事業者が納めるべき税金を納めずに利益としているというロジックから来ていますが、そもそも消費者は消費税法上税負担するべきであると定義されていないため、消費者が負担すべき税金を納めずに利益としているということは成立しません。
-2/Jul/2025ー【国の借金について】
「国の借金が1,000兆円あり、国民一人当たりの負担額が、830万円を超えた」といわれています。
しかし、この「国の借金」とは、「政府債務」のことであり、これは「国が抱える債務の総額。国債・政府短期証券の発行残高と、国の借入金の合計額」になり、「国民の借金」とは関係ありません。
財務省は債務の対GDP比のグラフ(上図)を用いて日本の債務はG7の中でも突出しているということを言ってます。この図は、債務総額ではなく、対GDP比であるためGDPが伸びない限り比率が下がることはありません。
このように日本は借金大国であるため、財政支出を削減し、緊縮財政を行わなければならないとなってきました。また、消費税増税も行われてきました。
財政出動を減らされたため、、国内の需要が喚起されず、消費も投資もされなくなり。日本経済は成長しなくなりました。
これにより30年間経済成長せず、世界第3位のGDPが落ちていくことになりました。
事務所名 | デルソーレ税理士法人 足立直之公認会計士事務所 |
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東京税理士会